新しい技術を採用するときには、その性能ばかりに気を取られがちですが、マイナス面も冷静に見極め、対応する必要があります。
1. 基礎断熱
こう考えてみる!!
高気密・高断熱住宅を追及すると、今までの床断熱方式から、基礎断熱方式を採用を考えます。
床断熱方式では、床下は外気であり、室内への空気の質や湿気に気を配る必要はありませんでしたし、基礎パッキン工法による全周換気方式で、基礎内の換気計画に気を配る必要はありませんでした。
●基礎断熱方式になると基礎内の空気が、室内の空気を同一になり、どう循環させるか考える必要があります。また室内の空気を床下にいれて結露しないか?床下の空気を室内に入れて、空気環境は大丈夫なのか?いろいろ考える必要があります。
●中通りの基礎が基礎内の空気の流れを妨げ、基礎内の結露、カビの原因となることを防ぐ必要があります。シロアリの危険性への対策が必要になります。
2. 3層ガラスサッシ
こう考えてみる!!
ゼロエネルギー住宅(ZEH)実現に向けて、窓の高性能化がすすんでいます。
●トリプルガラスの採用が始まっておりますが、私には、その重さに、引き違い窓を現場で持ち上げることができません。お子様や年老いた方は、窓を開けることがおっくうになる可能性があるのではないかと思います。窓ガラスを外して、水洗いすることが難しくなると思われます。断熱性能以外にも、暮らし方も快適になるように、考える必要があると思われます。
3・ 現場発泡ウレタンによる吹付断熱材
こう考えてみる!!
●気密性と高い断熱性能を追求すると隙間なく充填できる発砲ウレタンの吹き付け断熱材ですが、耐火性能を期待できません。
今までだと、コンセントボックスの裏には、グラスウールがあり耐火措置になっていましたが、ウレタンでは耐火措置にならない為、火災時にコンセントボックスから、壁内に火が入ってくる可能性があります。新たに、背後に耐火の措置が必要になります。
●天井断熱方式から、屋根の野地下面への吹き付け断熱方式になることで、ダウンライトの裏面にあったグラスウールがなくなりました。よって、新たに耐火の措置が必要になります。
マイナス面にどう対応していくか!?を考慮しながら、採用していく必要があるようです。