親子世帯間の交流意識の調査では、住まいの距離によって違いがあるようです。まず、一体同居では同世帯の生活は一緒であるのに対して、二世帯同居では、生活のすべてが別、交流が盛ん、お隣さん感覚という方が大半をしめるようです。近居、準近居の交流意識も二世帯同居とよく似ており、近居や準近居の家づくりにも二世帯同居と同じ設計要件が生かせることがあるようです。また、家づくり検討において住む場所を決める際には、交流意識の視点からそれぞれの家族に適した住まいの距離を検討することも有効と言えるようです。
近居する人に、同居を感じる不安を聞いてところ、干渉がいや、何かと気を遣うなどが上位に挙げられ、そのために近居を選ばれた方も多いといえます。近居にしただけでは、同居に感じる親子関係の不安がすべて解消されるわけではありません。近居している子世帯の妻に、親との関係に感じている問題を聞いたところ、一緒にすんでいないにも関わらず、何かと気を遣う、親に干渉されるなど同居における嫁姑問題のような問題を感じていることが分かりました。近居の家づくりや親子関係でも二世帯同居をする際の心構えと同じように、近居するためのコツがあるようです。
親の訪問サポートを前提とした住まいの設計要件を探るため、実際にサポートを受けている子世帯と、サポートをしていろ親世帯を対象に調査したところ、家事サポートは近居の4割、遠居の5割が受けており、子育てのサポートすべての子世帯が受けていることが分かりました。子育てサポートの内容としては、子供の病気時の対応、遊び相手、食事の世話などが上位に上がるとともに、保育園の送り迎えなど、保育園に入るだけでは、解決しない内容も含まれます。また、家事サポートは、多くが母親であるのに対し、子育てのサポートは、項目によって父親もサポートしていることも特徴の一つです。
親が子世帯をサポートする理由の一つは、仕事と家事の両立を助けたい、その他孫に会いたい、生活の張り合いなど自分自身の楽しみに類する回答も挙げられました。また親世帯も訪問時の心掛けとしては、子世帯のライフスタイルを尊重するなど、子が親を思い配慮、尊重している様子がうかがえます。
親から訪問で家事や子育てサポートを受けている子世帯が、親に見られたくない場所に一位は、夫婦の寝室ですが、特に近居世帯の妻は「洗面所や風呂場」という水回りを見られたくない割合が3割に上りますが、親世帯は水まわりにあまり気を遣っておらず、このようなギャップに配慮することが円満な訪問サポートにつながると考えられます。
「同居・近居・遠居」における親サポートの実態を調査 ~共働き子育て家族の家づくりに二世帯ノウハウで新たな提案~より抜粋
旭化成ホームズ株式会社様